実家に着いた。
父は二週間前よりもっと痩せこけて、話が出来るとはいえ、余りまともな会話は出来ない。
前回、お寿司を頼まれてデパ地下のお魚屋さんで購入したときに真空パックの鰤のお刺身を試食です、どうぞと頂いて。
実家に置いてきた。真空パックたから日持ちするからと。
それがとても美味しかったと言っていたので、今日また来しなに買ってきた。
父は海辺で育ったから魚には特にうるさい。
まぁ私も子供の時に田舎に帰れば美味しいお魚を食べていたので、その辺の大手スーパーの鮪は食べられないのだが。
何度も父は、夕飯なんだ？
鰤買うてきたよ。
おお！鰤か！
今日は麻薬が効いているのか、うつらうつらと寝ていて「痛い！痛い！！」と叫ぶことはなかった。
これなら…なんて思いもするが、
どんどん痛みは増してくるわけで。
足がおかしい、何とかしてくれとか、
寒いと言ったり暑いと言ったり。
急に私の名前を呼んで
「悪いなぁ。ありがとうな。」と。
鰤も喜んでくれて
もう私は孝行できたよ。
母も、もう寝かせておく方が良いと。
大分、せん妄状態になっている感じはする。
夫と義妹のグループLINEに
父の現状と、痛みや不安を取り除くため、明日から眠らせる方向に持って行き、おだやかに着地させるつもりで家族は合意していること。
だから、恐らく父と話せるのはこれが最後であること。
例え、眠っていても家族の声は聞こえているというので、
オンライン面会で義父を引っ張ってでも、義母に声をかけて欲しいこと。
オンライン面会の機会を大事にしてくださいと、ポストした。
義父は、義母が眠っていて話が出来ないなら辛くなるからオンライン面会はしないと夫にいったそうたけれど、義父がしたいしたくないではなく、
義母のため。
いつだって自分ファーストなのだよ義父は。
義母の事も、自分が気に入らなきゃさせたかないし、
自分がしたくなきゃ理由をつけてやらない。
心配でデイに行く気にならないとしょんぼりしているならわかる。
でも、義妹の話だと
何かあったら困るから、何かあったら自分が動くからスタンバイしてる。
という感じ。
娘もそれを感じていた。
昨日の葬儀屋さんの書類をもってきてくれというのもね。
まるで待ってるみたい。
なんて事は流石の私も夫や義妹に言えやしない。
義母に何かあったら心配だというなら
声をかけろ。と、私が午前中にポストしたのはこのことかと思ってくれればいい。
(訪問看護師さんに聞いた事にしておいたけれどね。
そうしないと、私が勝手な思いこみと取られるかもしれず。今までもそれは感じた。
義妹はすぐ、介護の仕事のみお友だちが言ってたとか、お医者さんがー！なので。)
義妹からは、
お父さんもご家族も大変なのにごめんなさいと。
夫は既読スルー。
えっとね。
私、この一年半
ずーーーーっと大変なんだけど…。
大変なのに、
毎度義父のやらかしに振り回されてるんですけど。
母には、
義母が肺炎になっていることは話した。
「え。そうなの？
あら、どっちが先かしらね。
あんた、重なったらどうするの？！」
おかーさん…。
あけすけに言い過ぎw
『どーすんのって、私は娘だからコッチ！』
夜、弟と弟嫁さんが来てくれた。
父は鰤を堪能してから寝てしまっていた。
本当は、明日から薬を入れることを父に話して納得させるつもりで来たのに。
でも、母が、
もうちょっとお父さんは自分で判断する事は出来ないと思うわ。
ありもしないこと言うし、
夢現になってるし。
昨日、俺が死んでもあんたは慌てたらいかん。とか、死んだら自分の兄弟とあんたの妹弟達に連絡しなさい。って言うてたから、覚悟はしてると思うよ。
もうええよ。寝さしてあげよう。
私らがええねんから。ね？と。
父、目を開けたけれど。少し話したけれど。
弟のことも弟嫁さんのことも認識出来ていなかったよう。
何時もなら、名前を呼んで、
来てくれたかーとか言うのに。
明日、
弟嫁さんは午後休をとって来てくれる。
訪問医さんと今後のお薬の調整もあるので。
やっぱりね。
いくら面会できなくて遠い病院に入院していても、母親なんだから、
オンライン面会して欲しいと改めて思う。
義母は今のところは持ち直しているわけだけど、
家族を認識できるかはわからない
でも、
オンライン面会で呼びかけをすればいい。
義父はいやだとか四の五の言うなだ。
私は同席はしないけど。
家族で会えばいいのだ。
危なくなったときに会えるか解らない。
後で悔いが残るのは嫌だものね。
明日から、
また第二幕。
戦いの始まりだ。
