夫はギジの所に出かけた。
まだぞろギジが下着を持ってきてくれとか言ってきたようなのだ。
サ高住を代わることも話さないといけないから行って来ると。
グレーのパンツを夫は隣から持ってきていた。
夫がいうには、多分、漏らしてシミになっても目立たないからだろうと。
干してあるのをヘルパーさんや訪看さん、薬事師さん、スタッフに見られるのが恥ずかしいんだろうという。
(紙パン履いちゃえよと思ったけれど言わない)
夫も私と同じ意見で、ギジは施設内のレクに参加はしたくない。声をかけられても断る。
でも、声をかけてもらえないのは嫌らしい。
参加はしないけれど声はかけろって。どんだけやねん。
全く面倒臭いわ。← めんどくさいわよねと、これは言ってしまったw毒舌ののわーる。
お空が曇ってきたので、お洗濯物を取り込んでいたら鳴る家電。
親父に電話したけれどまた出ないとか夫が言っていたので、きっとギジだなと思った私は夫が出るだろうと放置していた。
やはり、夫が出ていた。
ギジは夫がスマホから電話をして、出られなかったら家にかけてきてしまう。
パンツだけじゃなく、グレーの下着上下が欲しいと。
そんなの無いよなー。なかったら買っていくけどさと夫がいうので、あるわよと一緒に隣に行った。
ギジの下着やらなんやら、入居の時にあれこれ箪笥の中は見ている。
去年の手術後のショートステイの時もギジが下着は要らないと言っているとか言っていたけれど、
私が多めにパンツや下着を入れておいた。
夫が、ないだろーと引き出しを開けたので、もっと下。一番下。
え。これ、お袋のだろ?
確かにそのパジャマはお義母さんのだけれど、その隣のグレーの大群はお義父さんのでしょ。
お義母さんくらいの年代はそんな濃いグレーの下着なんて着ないわよ。
夫は、パジャマがあったからその引き出しは義ママンのものだと思い込んでいたようだ。
グレーのズボン下とヒートテックのシャツ。
寒くなってきていて、ヒートテックのグレーなのか、
汚しちゃうからグレーなのかはわからない。
冬用の暖かい下着はある。それを持って入居したのだから。
でも、白なのだ。
それが無くなっていたら捨てたってことだ。
私は確かめようとも思わないけれどね。
またギジから電話がかかってきて、今度は昆布茶を買ってきてくれと。
「昆布茶なんて近くのスーパーにあるだろ。」と夫が言ったけれど、
ギジの返事は「無い。」
普通のスーパーなんだから無いわけないよと夫も言っていた。
買い物も行くのが嫌なのか、行かれなくなっているんだろう。
自分から、買い物に行くのが大変で無理だなんて言えない言いたくないから、
売ってないから買ってこい。なんだろう。
誰とも話さないのも寂しいんだろうから、たまには顔見に行くよと。
ギジは自分から話しかけるようなことはしない。
自分は庶民とは格が違うから話なんかしないと言っている。
実際は、話題がないんだけど。耳も遠くなっているから会話も聞き取れないだろうし。
他所様からしたら、お高く止まっていて話しかけづらいのかもしれないし。
話をしないのは自分の勝手で我儘だ。
私は大勢の人と一緒に何かやるのは苦手。そこはギジと同じかもしれない。
でも、一人が気楽だから、何か楽しみを見つけてやると思う。
手が動いて目が見えたら私は手仕事をすると思う。
ギジは何もない。趣味は馬鹿にしているし。
話したくないけど家族ならいいっていうのかもしれないけれど、
生憎と、嫁も孫もギジの所には用事がない限り行かないわけで。
夫も、こっちにギジを戻す気はないようだ。
私が倒れるとこくらいわかるだろうし。
夫だって、親父がああいうからこういうからと気にして暮らしていたのだから、それから逃れられて気持ちは楽だと思う。
その夫が気にして言う言葉が私を追い詰めていたんだけれど。
マジに、私は娘と夫の世話で毎日大変ですって。
ギジが不穏爆発して帰宅願望が炸裂しないように夫も頑張ってくれているのかなと思うと申し訳ないとも思うけれど。
あんたの親やもんねとも思う。
夫が家で履いている部屋着のゴムが緩々だというので、サ高住の駅のところの100均でゴムを買ってきてと頼んだ。
1センチ幅くらいでいいよと言ったら、そんなにゴムって種類があるのか!と。
あぁそうか。
そういうことも知らないか。
さて。ギジは納得するかしら。